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グラベルロードバイクのタイヤ選びパーフェクトガイド

グラベルロードバイクの楽しみでもあり、最も手頃なカスタマイズがタイヤの交換。しかし、グラベルロードバイクはその性質から一番悩むのもタイヤ選びです。今回は、グラベルロードバイクのタイヤをどうやって選ぶのがベストかを徹底的に解説します。

更新日: 2023.11.16公開日: 2022.9.16

装着可能なタイヤサイズを調べよう

グラベルロードバイクは、ロードバイクと比較して太めのタイヤを装着できるように設計されていますが、それでも上限というものがあります。その上限を決めるのがフレームのタイヤクリアランスとホイールの推奨タイヤサイズです。

フレームのタイヤクリアランスの調べ方

フレームのタイヤクリアランスは、メーカーのグラベルロードバイクのスペック表に記載がある場合もありますが、意外と最大タイヤサイズを記載しないメーカーもあります。

その場合は、現在装着されているタイヤの外周から、フレームまでの距離を定規で測ってみましょう。例えば、38Cのタイヤが装着されていて、フレームまでの距離が10mmだとしたら、余裕を持って7mm分、つまり45Cまでのタイヤが装着可能となります。

ホイールの推奨タイヤサイズの調べ方

ホイールの推奨タイヤサイズは、単体で販売されているホイールであれば、メーカーの公式サイトのスペックに記載があることがほとんどです。

メーカーの公式サイトに記載がない場合や、メーカーの標準搭載ホイールのようにそもそもリムのスペックが公表されていない場合は、実物のホイールを見てリムサイズを確認しましょう。

通常、ホイールリムのサイズはETRTOと呼ばれる欧州規格で記載されています。700Cホイールであれば「XX-622(逆の場合もあり)」、650Bホイールであれば「XX-584」と記載があります。この数字の「XX」の部分がホイールリムサイズです。

ホイールリムのサイズがわかったら、その数字に3〜12mmを足したサイズがホイールの推奨タイヤサイズです。例えば、「19-622」というホイールリムであれば、23C〜32C程度が推奨サイズと推定出来ます。

ただし、グラベルロードバイクが標準で装着しているタイヤサイズが、先程のホイールの推定推奨タイヤサイズよりも大きい場合は、メーカーがそのサイズまで問題ないとしているということですので、そのタイヤサイズ以下であれば問題ありません。

クリアランスとホイールの推奨タイヤサイズで選べるタイヤサイズがわかる

クリアランスとホイールの推奨タイヤサイズがわかると、選べるタイヤサイズが絞り込めます。

例えば、フレームのクリアランスが45Cまでだっとしても、ホイールの推奨サイズが32Cまでだったら基本的には32Cまでのタイヤサイズにすべきなので、最大32Cとなります。

同じように、ホイールが40Cなどの太いタイヤに対応していても、フレームクリアランスが38mmしかなければ、40Cタイヤは装着が出来ません。

走行シーンからグラベルタイヤの種類を選ぼう

グラベルロードバイクが装着できるタイヤサイズの限界がわかったら、次はどのタイプのタイヤを装着するかを決めます。

グラベルロードで装着するタイヤは、「ロードバイクタイヤ」か「グラベルタイヤ」にすることが多いでしょう。タイヤクリアランスとホイールが許せば、MTBタイヤを装着も可能です。

スリックかブロックか

グラベルロードのタイヤのタイプを選ぶ際にまず決めるべきは、スリック(ツルツルタイヤ)かブロック(ゴツゴツタイヤ)かという点です。これは、どこをメインで走るかで決めます。

舗装路がメインであれば、スリックタイヤの方が軽快に走ることが出来ます。逆に、砂利道などの未舗装路を走る割合がある程度あるなら、ブロックタイヤにした方がパンクの心配も減ります。

「グラベルロードなのに、ロードと同じスリックタイヤでは意味がないのでは?」と思うかもしれませんが、普段乗りはスリック、遊ぶ時はブロックタイプのグラベルタイヤという使い分けをしてもOKです。

ブロックタイヤにするなら「どこまでの悪路を想定するか」

スリックタイヤではなく、グラベルなどの未舗装路を本格的に楽しみたいのであれば、ブロックタイヤを選ぶことになります。

ブロックタイヤは、

  1. グラベル
  2. トレイル(獣道)
  3. マッド(泥道)

の3つレベルでタイヤタイプがわかれます。当然ですが、泥道を走ることが出来るタイヤの方がタイヤのノブが大きく、重くなります。

このあたりの選び方は、下記の記事をどうぞ。

タイヤサイズを選ぼう

タイヤタイプを決めたら次はタイヤのサイズを決めます。

グラベルロードバイクのタイヤサイズは、「700 x 00C」という数字で表記されます(00の部分がタイヤのmm幅)。

細いタイヤは走りが軽く、舗装路で高速巡航することに向いていますが、グラベルなどの悪路ではスリップしやすくエアボリュームが少なく高圧なので乗り心地が良くないというデメリットがあります。

一方で、太いタイヤはグリップ力があってエアボリュームがあるため、空気圧を下げてクッション性を高めて快適に乗ることが出来ますが、重量が重くなってしまい速度が出しづらいというデメリットがあります。

「細くて速いか、重くて快適か」というのは、グラベルロードで一番悩むところです。

ここはどんなライドをしたいかで選ぶと良いでしょう。この時、先程の「バイクが装着できるタイヤサイズ」の範囲内で選ぶようにします。

コスパを考えよう

ロードバイクでもそうですが、タイヤというのは消耗品です。使い込むことで、ひび割れをしてきたり、サイドカットが起こってしまったりと、徐々に劣化していきます。悪路を走るグラベルロードバイクでは、タイヤは舗装路を走るロードバイクよりもダメージを負います。

そう考えると、グラベルロードバイクのタイヤ選びではコスパも非常に優秀です。

一般的に「軽くて速いタイヤは耐久性が低い」「太くて重いタイヤは頑丈」と考えられます。もちろんメーカーはそこも対策をしていて、軽くても耐久性の高いタイヤ、太くても軽くて頑丈なタイヤもありますが、概ねそのメーカーのフラッグシップタイヤになるので値段が高くなります。

グラベルタイヤであれば、フラッグシップタイヤは1本1〜1.3万円ほどがメインですが、グラベルタイヤで日本で一番人気と行っても過言ではないPanracerのGravelKingは1本6,000円ほどで購入可能です。この辺りのコスパと性能のバランスの良さが、GravelKingの人気の秘訣でもあります。

また、スリックで良いのであれば、あえてグラベルロードバイクにロードバイクタイヤを装着するという手もあります。ロードタイヤであれは、1本2,000円未満の激安タイヤというのも珍しくありません。

ロードバイクのタイヤの寿命は5,000kmほどと言われていますが、タイヤノブがついているグラベルタイヤは長くても3,000kmほどでしょう。中には1,000kmほどでノブがすり減ってスリックタイヤになってしまったというケースもあります。

特に通勤・通学などでグラベルロードバイクを使う場合は、タイヤのコスパは非常に大事です。

グラベルロードバイクのタイヤ選びに関するよくある質問

Q.

グラベルタイヤの空気圧はどれくらい下げて良い?

A.

グラベルタイヤに限らず、スポーツ自転車のタイヤは、タイヤのモデルごとに最低空気圧が設定されています。タイヤの刻印を見るか、タイヤメーカーの公式サイトでチェックしましょう。

メーカー規定の空気圧よりも下げすぎたり上げすぎたりすると、ビードが外れたり、バーストする可能性があるので、きちんとメーカー規定値の間に入れるようにしましょう。

Q.

ホイール・メーカーの推奨タイヤサイズより太いタイヤを装着しても良い?

A.

基本的にはホイール・メーカーの推奨タイヤサイズ内でタイヤサイズを選ぶべきですが、メーカーの推奨タイヤサイズよりも少し太い程度であれば問題ないことがほとんどです。逆にメーカーの推奨タイヤサイズよりも小さいタイヤは取り付けすらできない場合があります。

ただし、あくまでメーカー推奨外のセットアップになるので、自己責任で行いましょう。

Q.

完成車メーカーの推奨タイヤサイズよりも大きいサイズを装着しても大丈夫?

A.

フレーム、フォームにしっかりとクリアランスがあれば、完成車メーカーの推奨タイヤサイズ以上のタイヤを装着しても問題ないことがほとんどでしょう。

舗装路を走行するのであればクリアランスは5mm程度、グラベルも走行するのであれば泥などが付着することを考えて7mm程度、タイヤとフレームにクリアランスがあれば十分です。

Q.

スリックタイヤとセミスリックタイヤならどちらがグラベルロードバイクに合う?

A.

グラベルロードバイクに合うかよりも、走るルートの路面で選ぶのが一般的です。

ルートの100%近くが舗装路の場合はスリックタイヤがベストですし、少しでも本格的なグラベルに入るのであればセミスリックの方が路面で滑るリスクが減るため安心してグラベルを楽しむことができます。

Q.

軽量化をするのと、軽量な完成車を買うのはどちらがコスパが良い?

A.

すでに持っているグラベルロードバイクのグレードにもよりますが、エントリーグレードの完成車の場合は、下手にアップグレードをするよりもミドルグレード以上の完成車を買った方が軽量化もしつつ、パーツのアップグレードもできるためコスパは高いことが多いでしょう。

ミドルグレードのグラベルロードバイクの場合、上位グレードとフレーム・フォークなどの重量差があまりないことが多いため、パーツでアップグレードをしても完成車を買ってもコスト的には同じくらいのことが多いです。

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