グラベルロードはノーヘルで乗っても大丈夫?
街乗り用途でも選ばれるグラベルロードバイク。街乗りのシティサイクルのようにヘルメットなし(ノーヘル)で乗っても大丈夫なのでしょうか?
更新日: 2023.7.4公開日: 2022.11.2
目次
なぜヘルメットが必要なのかを考えよう
日本では自転車に乗る際にヘルメットを被らない習慣が長く続いてきたため、「ヘルメットを被るのは面倒」と考えがちですが、自転車でヘルメットを装着するのには意味があります。
警視庁の調べによると、自転車乗用中の交通事故で亡くなられた方のうち、約60%が頭部に致命傷を負っていることがわかっています。
さらにヘルメット未装着と装着で比較した場合、ヘルメット未装着の方が致死率が2.2倍にもなるそうです。
自転車乗用中の交通事故で亡くなられた方は、約6割が頭部に致命傷を負っています。 また、自転車乗用中の交通事故においてヘルメットを着用していなかった方の致死率(注)は、着用していた方に比べて平成29年から令和3年までの5年間の合計で約2.2倍高くなっています (注):「致死率」とは、死傷者数に占める死者数の割合をいう。
逆に言えば、ヘルメットを装着すれば、万が一交通事故に遭った際の死亡リスクが半分以下になるということでもあります。
ノーヘルでグラベルロードバイクに乗るリスク
グラベルロードバイクは、一般的なシティサイクルと違って初心者でも簡単に高速走行が可能です。シティサイクルでは時速20kmくらいが通常ですが、グラベルロードバイクではある程度体力がある方なら時速25km以上、少し慣れてきたら時速30kmでも走行も可能です。
時速30kmというと、日本の公道では原付バイクの制限速度と同じ。原付バイクはヘルメット装着義務がありますから、それくらい危険を伴う速度域で走行するということになります。
車道で原付バイクがノーヘルで事故にあった際に、どのような怪我を負うのか、どのように自動車などとぶつかるのかを考えれば、危険度は想像出来ます。
先程の警視庁の「ヘルメット未装着の致死率は装着の場合の2.2倍」という数字は、一般的な自転車での乗車も含まれていますので、より高速域で走行するスポーツ自転車の場合は、ノーヘルで事故にあった際の致死率はさらに高くなる可能性があります。
グラベルなどの悪路を走るなら安全性の高いヘルメットが必須
路面コンディションが良い舗装路では、無理な運転をしなければ落車をする可能性は高くないですが、グラベルなどの悪路を走行する場合、予見できない段差や木の根、岩などで落車する可能性はかなり高くなります。
落車した際に、舗装路であればフラットな路面に落ちることもありますが、グラベルを走る際は下は砂利道ですし、木の根や岩などの異物がたくさんある路面へ落ちることになります。落車の際に頭部を保護しないと、こうした異物で頭部にダメージを負うことになります。
落車がしやすいという意味では、悪路を走るのであればより安全性の高いMTB向けのヘルメットを装着するのがベストです。
グラベルロードバイクでヘルメットを装着するメリット
グラベルロードバイクでヘルメットを装着するメリットは、安全性を高めることが第一ですが、実は副次的なメリットもあります。
ライドを快適にすることが出来る
ヘルメットを装着することで、製品によってはバイザーがシールドを装着可能になり、走行中の風や日差しなどの不快な要素を軽減出来ます。
ライド中の風や日差しは意外と不快なもので、視界が悪くなることでライド時の運転性能にも影響します。
コーディネートを楽しむ
また、バイクカラーやジャージのカラーに合わせてコーディネートをすることで、オシャレの一環としてヘルメットを楽しむことも出来ます。
その意味では、ヘルメット選びもグラベルロードバイクのカスタムの一環とも言えます。
見た目が気になるなら「ガチじゃない」ヘルメットを選ぼう
「ロードバイクみたいなスポーティなヘルメットは見た目的に・・・」という方は、スポーティではないヘルメットを選びましょう。
最近では、ハット型のヘルメットや、スクーターヘルメットタイプも販売されているため、普段着やオシャレ着、スーツなどにも合わせやすくなっています。
グラベルロードバイクは車で例えるなら「ラリーカー」
高速走行と悪路での走破性を高めたグラベルロードバイクは、自動車で例えるなら「ラリーカー」のようなものです。
グラベルなどの悪路を走る際にヘルメットが必要なのは言うまでもないですが、仮に普段乗り・街乗りでグラベルロードバイクを使うのだとしても、万が一の落車や事故に備えて普段からヘルメットを装着する習慣をつけておくようにしましょう。
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