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グラベルロードバイクにサスペンションを追加する方法
未舗装路を走行出来るグラベルロードバイクですが、基本的にはサスペンションのない「リジッドフォーク」が標準です。今回は、サスペンションの無いグラベルロードにサスペンションを追加する方法をまとめました。
更新日: 2024.9.17公開日: 2022.9.5
目次
グラベルロードバイクにサスペンションを追加するメリット・デメリット
メリット
グラベルロードバイクにサスペンションを追加する最大のメリットは、悪路での走行の安定性や快適性を向上させることが出来ることです。
グラベルでは、ちょっとした岩や木の根など、走行するだけで跳ねてしまうような段差が次々と現れます。サスペンションがない場合はそれらの段差を技術と身体でカバーすることになるのですが、サスペンションを追加することで、車体自体に段差を楽に超える機能を追加できるため、悪路での走行の安定性や快適性が向上します。
特に、トレイルライドなどでは路面の勾配だけでなく障害物での段差は常にあるので、サスペンションを追加するメリットがより大きくなります。
デメリット
グラベルロードバイクにサスペンションを追加するデメリットは、重量とコストの増加です。
ただでさえ「重い」と言われるグラベルロードバイクに、2kg近いサスペンションフォークを追加すれば、それだけで車体重量は1.5kg以上追加されるため、舗装路での走りは確実に重くなります。車体重量が9kgのグラベルロードバイクでも、1.5kg追加されれば10kgオーバーになるわけですから、ロードバイクのような軽い走りは確実に犠牲になります。
また、サスペンションフォークやステムに交換する際のコストが大きいこともデメリットの一つ。サスペンションフォークだけで数万円以上になることも当たり前ですから、カスタマイズとしては高額な部類に入ります。
グラベルロードバイクにサスペンションを追加する方法
MTB用サスペンションフォークに交換する
MTB用のサスペンションフォークは重量がアップするというデメリットがありますが、舗装路でも乗り心地が非常にマイルドになり、トレイルなどのよりアクティブなライドに、グラベルロードバイクで挑戦するできるようになるカスタマイズです。
グラベルロードバイクのヘッドの規格が合っていれば、標準のリジッドフォークをMTB用のサスペンションフォークに交換することが可能です。
グラベルロードバイクのヘッド規格は、ロードバイクメーカーのグラベルロードバイクであれば、1-1/8 & 1-1/2のいわゆる「テーパードコラム」のものが、クロモリなどのスチールフレームの場合は1-1/2の「ストレートコラム」のものが多いでしょう。いずれにしても、必ず自分のバイクのヘッド規格を確認して適合するものを選ぶ必要があります。
MTB用のサスペンションは、700C(29er)向けと650B(27.5インチ)向けのものがラインアップされているので、基本は700C(29er)向けのサスペンションフォークに交換をします。
もう一つ注意したいのがブレーキ。MTB向けのサスペンションフォークはブレーキがポストマウントタイプのことがほとんどのため、ブレーキキャリパーの交換も必要になります。場合によってはSTIレバーが使えなくなることもあるので、互換性を必ずチェックしましょう。
グラベル専用サスペンションフォークに交換する
MTB向けのサスペンションフォークに交換すると、ロードバイクらしさが減ってしまうデメリットがあります。そうしたデメリットを解消するために、各社は独自のサスペンションシステムを開発しています。
スペシャライズドの「Future Shock」やキャノンデールの「Lefty Oliver」などのグラベルロードバイク向けに設計された、新しいタイプのサスペンションシステムがそれです。
Future Shockについては、スペシャライズドのグラベルバイク専用となっていますが、キャノンデールのLefty Oliverについては単体での販売もあります。
サスペンションステムを使う
手軽にサスペンションを追加したいのであれば、サスペンションステムを使うのも一つの手です。
サスペンションステムは、ステム自身にトラベル機能を持たせたステムで、基本的にどんなバイクにでも使うことが出来ます。サスペンションステムではREDSHIFTのShockStopが有名で、最近では東京サンエスのオフロード向けパーツブランドのグランジからもサスペンションステムが発売されています。
サスペンションステムはMTBのフロント・サスペンションと比較するとトラベル量の少ないというデメリットがあります。
MTBのフロント・サスペンションは最低でも100mm程度のトラベル量がありますが、サスペンションステムは20mm程度と1/5ほどしかなく、サスペンションの効果は低くなります。ただ、グラベルロードやオンロードではしっかりと衝撃をいなしてくれます。
サスペンションステムはまだ出始めのアイテムで、単品で2〜3万円と非常に高額なのもデメリットでしたが、グランジ レンジャーASステムは定価で1万円ほどと、手が出しやすい価格になっています。
グラベルでのショック吸収はしっかりしてくれ、しかも特殊な互換性や取り付けが必要ない手軽さを考えたら、グラベルロードバイクにサスペンションを追加したいなら、ファーストチョイスと言えます。
グラベルロードバイク用サスペンションを比較
それぞれの方法の比較をしてみましょう。
パーツ | 費用 | 効果 | 重量 |
---|---|---|---|
MTB用サスペンションフォーク | ★★★ | ★★★★★ | ★ |
グラベル専用サスペンションフォーク | ★★ | ★★★ | ★★★ |
サスペンションステム | ★★★★ | ★★ | ★★★★★ |
最大で2kg近く重くなることに許容するのであれば、MTB用サスペンションフォークがベストです。価格も安くはないですが、悪路での安定性は圧倒的にアップします。
サスペンションステムは重量が軽く、気軽にアップグレードできるメリットありますが、サスペンション効果が低いのが難点。砂利道くらいなら十分ですが、トレイルなどを楽しむなら能力不足かもしれません。
グラベル専用サスペンションフォークは両者のちょうど真ん中くらいのイメージですが、価格を考えるとここに投資をするかどうかは悩みどころでしょう。
砂利道くらいであれば「サスペンションステム + チューブレスタイヤ」、トレイルなら「MTB用サスペンションフォーク + 太めのチューブレスタイヤ」というのが現実的な選択肢になりそうです。
グラベルロードバイクへのサスペンションの追加は大きな変化。慎重に選ぼう
ここまで見てきた通り、グラベルロードバイクにサスペンションを追加するというのは、走りの面でもコストの面でも、バイク自体に大きな変化を与えるカスタマイズです。
交換をして「思ってた走りと違う」とならないように、メリット・デメリットを確認した上で、しっかりと検討をして導入しましょう。
グラベルロードバイクに中途半端にサスペンションを追加するくらいなら、最初からフルサスペンションのMTBを買った方が良いケースもあるた、サスペンションカスタマイズをする際は、MTBに強いプロショップに相談をして、MTBの導入も含めて検討するのがオススメです。
悪路を快適にするカスタマイズ
砂利道などを走るグラベルロードバイクは、舗装路よりも路面からの振動や衝撃が大きくなります。悪路に最適化することで、ライドを快適にすることが出来ます。
グラベルロードバイクにサスペンション・シートポストをつけるメリット・デメリット
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