グラベルロードバイクとクロスバイクは何が違う？

グラベルロードとクロスバイクの大きな違いはドロップハンドル

グラベルロードバイクとクロスバイクには、見た目で見てわかる違いがあります。ハンドル形状の違いです。

グラベルロードバイクはロードバイクから派生したスポーツ自転車なので、ハンドルはドロップハンドルです。一方のクロスバイクは、基本的にはMTBを舗装路走行しやすくしたスポーツ自転車なので、ハンドルはMTBなどと同じフラットバーです。

この違いは乗り心地や速度などに大きく影響します。

ドロップハンドルは前傾姿勢になるため、空気抵抗を抑え、より体重をペダルにかけやすくすることが出来ます。一方のフラットハンドルは、ドロップハンドルと比較して姿勢がアップライト（上向き）になるため、よりカジュアルに運転することが出来ますが、ロードバイクほど省エネで走行は出来ません。

ドロップハンドルは、長時間走行を前提としたロードバイクで採用されているため、ハンドルポジションが複数取れるようになっています。通常時はブラケットポジション、速度を出す時は下ハンドル、坂道では楽な上ハンドル（フラット部分）と、ポジションを使い分けることで、適切な姿勢を取れるだけでなく、手や肩の疲れを軽減させることも出来ます。

グラベルロードとクロスバイクではコンポに違いもある

グラベルロードとクロスバイクでは、変速機能などを構成する「コンポーネント」にも違いがあります。

コンポーネントで違いがあるのは、

1. ブレーキ
2. 変速機能（シフト）
3. ギア比

です。

まず自転車で最も重要なパーツであるブレーキは、グラベルロードバイクの場合はほぼディスクブレーキです。一方のクロスバイクは、ディスクブレーキモデルもありますが、リムブレーキ、Vブレーキなどブレーキの種類はモデルによって異なります。

次の違いが、スポーツ自転車を様々なシーンで快適に走行させる変速機能（シフト）。変速機能の違いは専門的な話になるので詳しくは別の機会にしますが、グラベルロードバイクとクロスバイクで違うのは、採用されている種類の違いです。

グラベルロードバイクは、グラベル専用コンポかロードバイクコンポが搭載されますが、クロスバイクはMTBコンポかシティサイクル向けのコンポが搭載されるケースが多くなります。これは、クロスバイクがフラットバーなので、同じフラットバーのMTBの方が互換性が担保しやすいからです。

最後に意外と重要なのがギア比（ギアの段数、ギアの重さ）の違い。グラベルロードバイクはロードバイクなので、平坦から坂道が登りやすいレンジでギア比が組まれます。

一方で、クロスバイクはMTBに近いので、ややギア比が低い（軽い）設定になっていることが多く、坂道ではギアの選択肢が広くなりますが、逆に平坦で速度を出そうとするとギア比が低くて速度を出しにくくなります。

クロスバイクは速度を出すというよりかは街乗りを軽快にというコンセプトのモデルが多いため、このような選択になるのでしょう。一方、グラベルロードバイクは、あくまでロードバイクなので、平坦などで高速巡航が出来るギア比が選択されることが多くなります。

利用シーンごとの選び方

街乗りならどっちが良い？

街乗り”だけ”で使う方に関しては、価格の安いクロスバイクで十分でしょう。往復で10kmくらいの距離なら、グラベルロードバイクのメリットをあまり体感できないことが多くなります。

もちろん、グラベルロードバイクやロードバイクでも街乗りは出来ますし、荷物を積載しやすいグラベルロードバイクは、街乗りに向いているスポーツ自転車ではあります。

サイクリングやツーリングを楽しむのであれば？

サイクリングやツーリングなど、「街乗り以上」でもスポーツ自転車を楽しみたいのであれば、断然グラベルロードバイクがオススメ。

サイクリングやツーリングは30km以上走行することが多いため、長距離走行に最適化されたグラベルロードバイクのが楽に長く、遠くまで走ることが出来ます。

グラベルなどの未舗装路を走る場合は？

グラベルなどの未舗装路を少しでも走る予定があるのであれば、グラベルロードバイクにしましょう。クロスバイクはメーカーによっては「悪路での走行はしないでください」と記載があるモデルもあるため、基本的には未舗装路には不向きです。

グラベルロードバイクは、砂利道の林道や軽い山道は走行する前提の自転車なので、しっかりしたメーカーであれば安心してグラベルを楽しむことが出来ます。