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グラベルロードでDi2などの電動シフトが選ばれる理由
ロードバイクでは採用車が増えてきているDi2などの電動シフト。グラベルロードバイクでは特に電動シフトを選ぶユーザーが多いイメージですが、なぜ電動シフトが選ばれるのでしょうか?
更新日: 2023.10.11公開日: 2022.9.15
目次
電動シフトとは何か?
従来のロードバイクのシフト(ギア変速)機能は、シフトレバーでディレイラーと繋がったワイヤーを物理的に巻き上げたり、解放したりして変速を行っていました。電動シフトと対比してこれを「機械式シフト」と呼びます。
それに対して、シフトレバーを電気信号でディレイラーに命令を送るだけの「ただのボタン」にして、ディレイラーが電動で移動するのが電動シフトです。
シマノなら「Di2」、カンパニョーロなら「EPS」、スラムなら「eTap」が電動シフトコンポーネントです。
機械式シフトはワイヤーで動作させているので、
- 泥などが詰まると変速不調になる
- シフトが重い・遅い
というデメリットがありました。
一方で、電動シフトコンポーネントでは、シフトレバーはスイッチですのでマウスのクリックボタンと同じで「シフトが重くなることはない」と言うメリットがあります。
また、ワイヤーが移動するという物理時間がなく、信号が送られて瞬時にシフトチェンジが可能なので、シフトが非常に速くなります。
そんな魅力ばかりの電動シフトですが弱点があります。それは価格です。
電動シフトは従来の機械式シフトコンポーネントとほとんどのパーツで互換性がなく、しかも電動コンポ一式は安くても20万円ほどするため、あまり普及していないという現実もあります。
電動シフトはグラベルロードバイクと相性が良い
ワイヤー系のトラブルから解放される
グラベルロードバイクは砂利道や泥道など、ロードバイクと比較して悪路を走行します。そのため、路面から跳ね返ってきた細かい砂や泥でシフトワイヤーが汚れてしまうと、動作が重くなったり、詰まってシフトが効かなくなるというトラブルが発生しやすくなります。
これまで、ロードバイクやシクロクロスバイクなどでは、ワイヤーをフレーム内部に通す「ケーブル内装」にしたり、フロントシフトのルートをトップチューブを通す「トップルート」などで砂や泥に対応してきましたが、電動シフトにすることで、ワイヤールーティングなどを考えずに泥対策が出来るようになります。
瞬間的なシフトチェンジに対応出来る
グラベルなどの悪路を走る場合、舗装路よりも路面状況の変化が激しくなります。
ロードバイクが走る舗装路では、ある程度道路の見通しも効きますし、基本的には自動車が通ることを想定しているので、勾配の変化もなだらかです。
しかし、林道や泥道などの未舗装路は、整備がされていない分、路面状況の変換は急激です。ちょっとしたコブで一気にシフトダウンしたり、逆に下りでシフトアップをしたりと、シフトチェンジはMTBのように忙しくなります。
そうしたグラベルロードが走る道を考えると、一気に、そして瞬時にシフトチェンジが出来る電動シフトの恩恵を受けるシーンが多くなります。
Di2の「シンクロモード」ならフロントダブルでもレバー一本でシフト操作
シマノのDi2には、シフト操作に複数の設定があります。
- 通常モード
- シンクロナイズドシフト(右シフターのみで変速。RDの位置によってFDが自動変速)
- セミシンクロナイズドシフト(FDのシフトに合わせて適切なギア比になるようRDを変速)
中でも、シンクロナイズドシフトは、右シフターのみで全てのギアチェンジが可能になるため、操作的にはフロントシングルと同じになります。
変速モードはジャンクションAユニットで変更も可能なので、グラベルに入ったらシンクロナイズドシフトに切り替えるなどの運用も可能です。
フロントシングルは電動シフト必要?
フロントシングルこそ電動シフトが生きる
電動シフトのメリットは悪路でも安定したシフトですが、泥対策をしなくてはならないのはワイヤーがBB下で剥き出しになりがちなフロントシフトです。しかし、グラベルロードバイクではフロントシングルモデルが多く登場しており、フロントシフトがない場合もあります。
フロントシングルでも電動シフトにするメリットがあるのかというと、「瞬間的なシフトチェンジが出来る」と言う点と「一気に数段シフトチェンジ出来る」という2点でしょう。
例えば、フロントシングルのグラベルロードでは、一気にギア比を変更したい時に数段、場合によっては4から5段ほどシフトを変えたい時があります。林道などで、下り坂から急に登りになった場合などです。
そうした場合、機械式シフトだと「2段シフト x 2回」の動作が必要で、場合によってはシフトがうまく変えられなくて重いギアになってしまい、バランスを崩して落車してしまうこともあるでしょう。しかし、Di2などの電動式だとシフトボタンを押し続けた分だけシフトチェンジをしてくれるため、スムーズに大きなシフトチェンジが可能です。
フロントダブルの場合は、アウターからインナーに落とすなどで一気にギア比を下げることが出来ますが、フロントシングルの場合はリアのみで「たくさんシフト移動」をさせなくてはならないため、電動シフトのメリットが出てくるわけです。
シマノのグラベルコンポ・GRXにDi2モデルがあるのもはこうした理由からではないでしょうか。
グラベルロードバイクのためのコンポ選び
グラベルロードバイクは、グラベルコンポだけでなく、ロードコンポも使うことが出来ます。そのため、予算や走るコースによってコンポの選び方も変わってきます。
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