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グラベルロードバイクはどれくらいのケイデンスで走るのが良い?

グラベルロードバイクでの走りに拘り始めると遭遇するのがケイデンス(回転数)と言う指標。今回は、グラベルロードバイクではどれくらいのケイデンスが良いのか、ベストなケイデンスの探し方をご紹介します。

更新日: 2023.7.4公開日: 2022.9.13

大前提として「走り方は自由」

グラベルロードバイクに限らず、自転車は道交法などのルールを守れば好きに乗ることが出来る乗り物です。ですので、「こうでなければ」という固定概念に囚われず、自由に乗って良いのではないでしょうか。

スピードやケイデンス、パワーなどの指標は「より効率良く走行する、トレーニングをするための指標」でしかありませんので、効率を考えないのであれば、ケイデンスを気にする必要はありません。

ロードバイクのトレンドは「ローパワー、ハイケイデンス」

ケイデンスなどの指標は自由とした上で、より効率良くグラベルロードバイクで走りたいという方がケイデンスに拘るのは有用です。

元ロード選手の話で聞く限りは、パワーメーターなどの計測機器がなかった数十年前は、重いギアをガシガシと踏む「ハイパワー、ローケイデンス」が主流だったようです。

しかし、ここ10年ほどで、パワーや抵抗、空力などの科学的なデータをたくさん取得できるようになったことで、現在は「ローパワー、ハイケイデンスが一番効率良く、速く、長く走ることが出来る」というのがトレンドになってきました。

ロードレースのプロ選手は、巡航速度時はケイデンス90から100ほどと言われていますし、趣味で走る人でも、ケイデンスは80ほどが標準と言われます。

なぜハイケイデンスが良い?

なぜハイケイデンスが良いのかは、走行している時に使っている筋肉の違いに原因があります。

重いギアを踏む時に使う筋肉は速筋と呼ばれる「すぐにパワーになって大きな力が出せるけれど、持続力がない筋肉」を使います。一方で、軽いギアをハイケイデンスで回す場合は遅筋と呼ばれる「ハイパワーは出せないけど、持続力がある筋肉」を使います。

字のごとく、速筋線維は速いスピードで収縮する筋肉であり、発揮する力も大きい。しかしながら、持久力には欠けており、大きな力を長時間発揮し続けることができない。逆に、遅筋線維は収縮するスピードは遅く、発揮する力も小さいが、疲労しにくいため、力を長時間発揮し続けることができる。

第3回 筋肉の科学からスポーツをみる | 独立行政法人日本スポーツ振興センター

厳密には「どこの筋肉を使うかを意識したペダリング」が必要になるのでケイデンスだけで使う筋肉が変わるわけではないですが、重いギアは速筋を使うことが多くなると言う意味では、ローギア・ハイケイデンスの方が遅筋を使いやすいと言えます。

ロードバイクは「長く走る乗り物」なので、200km以上を毎日のように走るロードレースでは、より効率よく筋肉を使うために、「最後の全力を出すゴールスプリントで速筋を開放する」「それ以外では遅筋を使ってパワーを温存する」となったわけです。

グラベルロードバイクのような日常や趣味で使う自転車で置き換えると、ライド自体を楽しむだけでなく、通勤や通学であれば仕事や学業、自転車キャンプやツーリングならキャンプや観光と言う「ライドのイベント」があります。

ライド後のイベントを楽しむと言う意味では、ある程度のハイケイデンスでパワー消費を抑えた方が、ライド後のイベントへの影響も少なくなります。

ただし、これはあくまで筋肉の話。ケイデンスをあげると慣れるまでは心拍数が上がるので疲労が溜まります。慣れないハイケイデンスで回してしまうと、筋肉は疲れないけど、心拍的にキツくなることもあるので、グラベルロードバイクなどの趣味で走る場合は「自分が疲れないと感じるポイント」を探すことが大事です。

グラベルロードバイクに最適なケイデンスは?

グラベルロードバイクはベースはロードバイクですので、基本的にはケイデンスは80ほどを維持するのが基本でしょう。

当然ですが、重いギアでケイデンス80を維持するのはキツいので、「辛いと感じないけど、軽過ぎない」ギアを自分で探して、辛くないギアでケイデンスを維持します。

スポーツ自転車初心者の方は徐々に上げていこう

スポーツ自転車初心者の方は、ケイデンス80を維持することが出来ない方も当然います。トレーニングを積んだプロ選手ではないのですから、これは当たり前です。

ケイデンスを維持できないと思ったら、まずは「有酸素運動領域(息が上がらない、会話が出来る程度の心拍数)でギリギリまで高いケイデンス」で維持することから始めると良いでしょう。Apple Watchなどのスマートウォッチを持っている方は、心拍数を計測しながら走ってみるとより良いです。

また、仮にケイデンス60ほどでも30分ほどペダリングをし続けただけでクタクタになってしまう場合もあります。そうした場合は、さらにケイデンスを下げてみて、長時間ペダリングを続けることが出来る持久力を先につけましょう。

体力に自身がある方はLSDトレーニングを意識してみよう

ロードバイクのトレーニングには「LSD(Long Slow Distance)」という考え方があります。簡単に言うと、長い距離をゆったりとしたペースで走って基礎体力をつけるというトレーニングです。

体力に自身のある方は、LSDを意識して疲れない範囲で、徐々に走り切れる距離を伸ばしていくのがオススメです。この時にケイデンス80を維持することを意識しましょう。

ロードバイクが初めての方は、20km走ると言うだけでも途方もない距離だと感じますが、徐々に距離を伸ばしていって、100km走れるようになるとロードバイク界隈的には「初心者卒業」と言われます。

グラベルロードバイクは自転車キャンプやツーリングにも最適なスポーツ自転車なので、100km走ることが出来るようになると、自走でキャンプ場に行ってキャンプをしたり、バイクバッグに宿泊装備を入れて、自転車で旅行も出来るようになります。

そうなると、グラベルロードバイクの本領発揮。どんどん楽しめるアクティビティが増えていきます。

グラベルロードバイクでローケイデンスはダメなのか?

グラベルロードバイクはロードバイクと比較すると車体が重いため、基本的にはローケイデンス・ハイパワーでペダリングをするよりかは、80くらいのケイデンスにしたほうが走りは楽になります。

ただ、どのケイデンス数が楽と感じるかは個人差があるので、ケイデンス数に拘らず「自分が一番走っていて気持ちが良い、疲れないケイデンス」を探すのがベストです。

その結果、軽いギアをくるくる回すよりも、重いギアをガシガシ踏む方が合っていると思ったのであれば、ローケイデンスでも問題ありません。

他の自転車と何が違う?グラベルロードバイクの特徴

ロードバイクを悪路に最適化したグラベルロードバイクですが、ロードバイクやMTBなどの他のスポーツ自転車と何が違うのかを解説します。

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