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グラベルロードバイクでカーボンホイールを使うメリット・デメリットと選ぶ際のポイント
速度と高効率を追求するロードバイクではメジャーとなりつつあるカーボンホイール。舗装路とは違う走行条件であるグラベルロードバイクでも、車体の軽量化にも貢献してくれますが、選ぶ際の注意点もあります。
更新日: 2023.7.4公開日: 2022.11.1
目次
カーボンホイールのメリットとデメリット
まずは一般的なスポーツ自転車のカーボンホイールのメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
カーボンホイールのメリットは「高剛性・軽量・エアロ」の3つです。
カーボンは、加工のしやすいことでロードバイクやMTBのホイールでよく使われるアルミと比較して、軽くて剛性が高く製造することが出来ます。回転体であるホイールが軽くなることで走りが軽くなり、剛性が上がることでリムが撓むのを防ぎ、ペダリングの力を効率良く推進力に変換出来ます。
また、カーボンは軽くて成形の自由度が高いため、空気抵抗を減らす「エアロ効果」を生むディープリム(リムが高い)を採用することが出来ます。
こうした理由から、プロレーサーだけでなく、ホビーライダーでもカーボンホイールを愛用する方が増えています。
デメリット
カーボンホイールのデメリットは「価格と単点打撃への弱さ」です。
まず、カーボンホイールは、機械での製造技術が確立していないため、手作業で製造されます。そのため、アルミホイールと比較して価格が高くなってしまいます。
ただ、ここ数年でカーボンホイールの価格も値下がり傾向にあり、10万円台で数年前のトップグレードと同じ品質のカーボンホイールが購入できるようになっており、徐々にですが入手しやすくはなっています。
次に単点打撃への弱さ。「カーボンは壊れやすい」というイメージがありますが、実は強さという意味ではしなやかな金属であるアルミよりも硬い素材です。ただし、カーボンホイールは、カーボン素材をエポキシなどの樹脂で固めているため、単点へ打撃を受けるとカーボンではなく樹脂にクラックが入ります。
一度クラックが入ると、クラックが枝葉のように広がってしまうこともあるため、カーボンホイールは扱いが難しいパーツです。
グラベルロードバイクでカーボンホイールを装着するメリット
数百グラム単位で軽量化が出来る
ディスクロード用のカーボンホイールは、リムブレーキ向けと比較すると重い傾向にはありますが、それでもディープリムのカーボンホイールでも1,500g台、上位グレードなら1,300g台もあります。。
アルミのグラベルホイールでも1,500g台はありますが、それ以上に軽量なモデルはほとんどなく、しかもナローリムになるため、「エアロ効果も得られて軽量化も出来る」というのはカーボンホイールの強みです。
グラベルロードバイクの完成車に装着されているホイールは、前後で2,000gほどのものが多いため、ホイールだけでも500g近く軽量化が出来ます。
高速巡航を維持しやすくなる
グラベルロードバイクは、太いタイヤを装着しているためどうしても平坦な舗装路で巡航する際に走りが重く、長距離の走行は辛くなってしまいます。
カーボンホイールにすることで、剛性が上がってエアロ効果が得られるため、平坦な舗装路での走行で高速巡航を維持しやすくなります。
日本でグラベルを楽しむ場合、グラベル区間に行くまでは舗装路を自走することが多いため、カーボンホイールのメリットは大きいでしょう。
グラベルロードバイクでカーボンホイールを装着するデメリット
未舗装路でのクラックリスクがある
カーボンホイールに「クラックが入ると破損リスクがある」と言っても、舗装路では落車や車体を倒さない限りはそこまでクラックリスクはありません。
ただ、石や枝にヒットしやすいグラベルでは話が変わります。グラベルを頻繁に走行するとアルミリムでも異物にヒットして変形するくらいなので、カーボンホイールでグラベルを走るということは、舗装路よりもクラックリスクが高くなります。
値段が高い
ただでさえ、ディスクブレーキホイールは従来のリムブレーキ用ホイールよりも値段が高めなのに、カーボンのディスクホイールとなると新品で10万円未満で入手することは困難。
アルミホイールなら4万円くらいで1,700gくらいのモデルがありますが、カーボンホイールなら最低でも10〜15万円ほどの予算が必要です。
グラベルロードバイク用のカーボンホイールを選ぶ際の注意点
ASTM規格の「コンディション2」以上のホイールを選ぼう
自転車のホイールには国際規格団体・ASTMが定めた使用コンディショングレードがあります。グラベルロードバイクで使用するのであれば、ASTM規格の「コンディション2(舗装路+綺麗な砂利道での走行)」がそれに相当します。
ホイールのASTM規格の詳細は、下記のページがわかりやすいです。
保証を重視しよう
カーボンホイールは、メーカーによってクラックなどでホイールを破損させてしまった時に、無償修理・交換や割引での新品交換をしてくれる場合があります。
例えば、SRAM傘下のZIPPのホイールは「生涯保証」がついていて、通常の乗車での破損・故障はファーストオーナーであれば無償修理・交換をしてくれます。
乗車中の例: ・単独走行中に、落車してホイールが損傷した。→保証対象
・グラベルを走行中に、見つけられなかった鋭い岩にぶつかりリムが変形した。→保証対象
乗車以外の場所で発生した損傷には、保証は適用されません。または、意図した用途を超えてZIPP製品を使用した場合も適用されません。
こうした保証が手厚いメーカーのカーボンホイールを選ぶことで、万が一破損させてしまっても、金銭的なダメージを負わずに済みます。
グラベルロードバイクのホイール選び
グラベルロードバイクのホイールは専用のものが良いのか、ロードホイールでも良いのか、MTBホイールも使えるのかなど、グラベルロードバイクのホイールカスタマイズについて解説します。
グラベルロードバイクのホイールは700Cと650Bどちらがいい?
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グラベルロードバイクでカーボンホイールを使うメリット・デメリットと選ぶ際のポイント
速度と高効率を追求するロードバイクではメジャーとなりつつあるカーボンホイール。舗装路とは違う走行条件であるグラベルロードバイクでも、車体の軽量化にも貢献してくれますが、選ぶ際の注意点もあります。
ロードバイクの派生系であるグラベルロードバイクは、そのままでも舗装路を走ることが出来ます。しかし、ロードバイク化すれば「もっとロードバイクに近い走り」を実現することが出来ます。
グラベルロードバイクの軽量化で一番効果的なのが軽量ホイールへの交換。まだまだ数が少ないグラベルホイールの中でも、人気メーカーのホイールを比較しました。
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