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ロード、グラベル、MTB?自転車旅と最適なスポーツ自転車の種類の選び方
旅先を自転車で巡る「自転車旅」は、人気上昇中のアクティビティです。しかし、どのような種類の自転車を選ぶかによって、旅の楽しさや安全性が大きく変わってきます。今回は、自転車旅に最適なスポーツ自転車の種類とその選び方について解説します。
更新日: 2023.7.6公開日: 2023.4.12
目次
スポーツ自転車の種類と守備範囲
ロードバイク:舗装路はどこでも
日本でスポーツ自転車で一番ポピュラーなのがロードバイク。
ロードバイクはサイクリングで愛用者が多い自転車ですが、最近では車体に取り付けるバッグが豊富に発売されるようになったため、バイクパッキングと呼ばれる車載装備をして、自転車キャンプやツーリングに使う方もいます。
ロードバイクの難点は細いタイヤで、未舗装路を走行するとパンクリスクがあります。その意味では、目的地までのルートが「ほぼ全て舗装路」である時に、「最も速く、最も少ない労力で」移動出来る自転車です。
一方で、キャンプ場などの未舗装路がある可能性がある目的地に行く場合、もしくは行ったことがないルートを走る場合は、パンクリスクを承知の上で使う必要があります。
MTB:道が「ない」ところでもどこでも
走破性が一番高い自転車がMTBです。
MTBであれば、道がなくても獣道でも安定して走行できますし、耐パンク性能が高いタイヤを装着すれば、軽い岩場くらいなら楽々と走行出来ます。
グラベルロードバイクでも同じような道を走行できるかと思いますが、2.6インチ(ETRTOで66C)などの太いタイヤを装着できるホイール、前後のサスペンションなどのMTB専用の装備が出来るという点で、実はグラベルロードバイクとMTBは走破性が全く違います。
上級者になると3,000mクラスの山にもMTBを担いで登り、下りのダウンヒルを楽しむ「山岳MTB」に挑戦する方もいるほど、悪路というより酷路でも走行できるのがMTBです。
こうしてみると、まさに旅に最適な自転車に感じますが、あまり自転車旅には選ばれない理由は、「重量」と「積載量」の問題。
MTBはフルサスモデルなら15kgクラス、リアサスがないハードテイルでもミドルグレードで13kgくらいの重量があるため、長距離を走行するのには不向きです。また、ジオメトリ的にフレームの三角形が小さいため、積載できる場所がハンドルとサドルくらいと少ないため、ザックなどの背負う装備も必須になるのも選ばれにくい理由でしょう。
グラベルロードバイク:道が「ある」ところはどこでも
舗装路に強いロードバイクと、悪路などに強いMTBの中間に当たるのがグラベルロードバイクです。
ロードバイクをベースに、40Cなどの太いタイヤを装着することで、舗装路だけでなく未舗装路も走行可能になります。ただし、MTBほどの走破性はなく、あくまで「道」になっているルートを走行するイメージです。
もちろん、未舗装路で道になっていない、MTBで走るようなルートも走行可能ですが、サスペンションがないため腕や足への衝撃が強く、また前傾姿勢が深いため前転するリスクがあることを考えると、ライトな悪路までがグラベルロードバイクの守備範囲でしょう。
グラベルロードバイクを自転車旅で使う場合は、「ロードバイクでの自転車旅で諦めていたところも攻められる」と覚えておきましょう。
どのバイクを選ぶべきか?
ライド以外のアクティビティまで可能性を広げるグラベルロードバイク
最近の自転車旅で最も選ばれているのはグラベルロードバイクでしょう。
自転車旅となるとイレギュラーな道を走行することもありますし、ずっと舗装路を走行するのも飽きてきてしまいます。グラベルロードバイクであれば、ルート途中にちょっと林道や川岸を攻めてみたりと、自転車旅にちょっとしたアクティビティも追加できるため、楽しみの幅が増えます。
また、各メーカーがグラベルロードバイクに「旅」を意識しているからか、フロントフォークやトップチューブなど、他のスポーツ自転車にはない場所にダボ穴があるため、積載力もロードバイクやMTBと比較して抜群に高いのもメリット。
全てダボ穴を使えば30L以上積載することも可能になるため、1週間や1ヶ月などの長期間の旅にも最適です。
グラベルロードバイクは、「速度や距離ではなく、自分のペースで、自分の好きなギアを持って、自転車旅を楽しみたい」方に最適なバイクです。
「距離を稼ぎたい」ならロードバイク
一方で、ライドというよりも目的地での遊びや観光を重視するなら、移動時間を短縮でき、行動範囲を広げてくれるロードバイクがベスト。
目的地までが舗装路であれば、ロードバイクが圧倒的に速く楽に到着できるため、グラベルロードバイクでは辛い距離となる150kmや200kmも1日で稼ぐことが出来ます。1日に、複数箇所を回って楽しむことも可能です。
日本は道の90%以上は舗装路と言われているため、とにかく「距離を稼ぎたい自転車旅」なら、間違いなくロードバイクがベストです。
アドベンチャーライドを極めたいならMTBがベスト
グラベルロードバイクの宣伝文句でもあるアドベンチャーライドですが、やはりベストなのはMTBです。
MTBであれば、林道をクロスカントリーのような感覚で走行することも可能ですし、山を攻めるトレイルなどのもっと厳しい環境にも対応出来ます。
車体の重さや装備を担ぐ必要があることを考えると、目的地近くまでは車で移動するのが現実的ですし、それでも装備が重いことを考えるとかなり体力が必要になりますが、MTBで楽しむことが出来る「圧倒的な非日常」は、他の自転車では味わえないものです。
逆に、舗装路がメインなのであれば、サスペンションや太いタイヤはオーバースペックです。ロードバイクかグラベルロードバイクを選びましょう。
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