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グラベルロードバイクとは?ロードバイクやMTBと何が違う?
ここ数年で人気が急上昇しているのがグラベルロードバイク。グラベルロードバイクとはどんな自転車か、ロードバイクやMTBと何が違うのかをまとめました。
更新日: 2023.7.6公開日: 2022.8.24
明確な定義がない「グラベルロードバイク」
ロードバイクなら「ドロップハンドルで前傾姿勢を取るスポーツ自転車」、MTBなら「サスペンションと太いタイヤで、悪路や山道などを走破できるスポーツ自転車」というある程度の定義がありますが。しかし、グラベルロードバイクには明確な定義はありません。
グラベルロードバイクに定義がなくても特徴はあります。
- ジオメトリがややアップライトになっている
- 太いタイヤが装着できるタイヤクリアランスがある
- ロードバイクをベースにしていること
- 走破性を高めるために30C以上の太いタイヤを装着していること
- 悪路でもブレーキングが落ちないため、ディスクブレーキを装備していること
などです。(2)〜(5)は「それって普通のロードバイクでもあるのでは?」という条件ですが、やはり大きく違うのは(1)のジオメトリでしょう。
ロードバイクとグラベルロードバイクの違いは?
ロードバイクとグラベルロードバイクは、ほぼ同じ乗り物です。違いがあるとしたら、ジオメトリとタイヤでしょう。
ロードバイクの場合、空気抵抗を極力減らすために前傾姿勢を取りやすいジオメトリ、具体的にはバイクのフロントが下に下がるように設計されます。
一方で、グラベルロードバイクの場合、メーカーにもよりますが、ややハンドルが上向きになるアップライトなジオメトリを採用することが多くなります。同じロード系のスポーツ自転車で言えば、シクロクロスバイクに近いジオメトリです。
例えば、GIANTのロードバイク「DEFY ADVANCED 2」とグラベルロード「REVOLT 2」のジオメトリを比較してみましょう。
モデル | サイズ | A | E | I | 適応身長 |
---|---|---|---|---|---|
DEFY ADVANCED 2 | 445(S) | 445 | 71.8 | 546 | 165〜175 |
REVOLT 2 | 430(XS) | 430 | 70.0 | 556 | 160〜175 |
対応身長がほぼ同じ二つのバイクですが、REVOLT 2方が、シートチューブ(A)が1.5cm短くスタック(I)が1cm上がって、ヘッドアングル(E)がやや浅くなっています。つまり「お尻が下がって肩が上がるフレーム」ということです。
ほとんど見た目は同じ両者ですが、こうした違いが乗車姿勢の違いがグラベルでの快適さや安全性につながります。
タイヤについては、最近のロードバイクでは700-25Cサイズが選ばれることが多いですが、グラベルロードでは700-32C以上、モデルによっては700-40Cなどのマウンテンバイクに近い太いタイヤが採用されます。
この2点がロードバイクとグラベルロードバイクの違いです。
MTBとグラベルロードバイクの違いは?
太いタイヤにアップライトなジオメトリであるグラベルロードバイクは、ドロップハンドルを搭載している点を除けばMTBに近いスポーツ自転車です。
ハンドル以外でMTBとグラベルロードバイクの大きな違いはサスペンションの有無でしょう。MTBではフロント・リアにサスペンションが搭載されますが、グラベルロードバイクでサスペンションが搭載されることはあまりありません。
MTBにサスペンションが必要なのは、段差を乗り越えたり、バンクでジャンプしたりした際の衝撃をいなす為です。逆にいうと、グラベルロードバイクではそうした乗り方は想定されていないと思っておきましょう。
実際にグラベルロードバイク用ホイールのスペックを見ると、「ジャンプは地面から10cm以内」といった注意書きがあることがあります。これはジャンプではなく段差を乗り越えるくらいを想定しているということです。
グラベルロードでは、少しガレている、でもロードでは走れないような「あくまで道」を走ることは出来ますが、ジャンプを想定した未舗装路のダウンヒルなどを出来ないと思っておきましょう。
仕様的には中途半端。だからこその楽しみがあるのがグラベルロード
このように、グラベルロードバイクは定義も曖昧で、ロードバイクに近いけどMTBほど悪路は走れないという、悪く言えば中途半端なスポーツ自転車です。しかし、この中途半端さこそがグラベルロードバイクの魅力でもあります。
例えば、ロードバイクでは砂利道や未舗装の林道は走れませんが、グラベルロードバイクならサイクリングルートに未舗装路を組み込んで楽しめます。
MTBは山道を走るのには良いですが、舗装路を走ると重さが足を引っ張りますが、グラベルロードならMTBよりも軽快に走ることが出来ます。
また、タイヤやホイールのチョイス次第で街乗り仕様にもトラベル仕様にも簡単に出来るのがグラベルロードの魅力でしょう。
普段はロード向けのホイール・タイヤで街乗り仕様で使って、休日のサイクリングなどの時にはグラベルタイヤを履いて林道サイクリングを楽しむ。もちろんロードバイクでも同じようなことは出来ますが、グラベルロードの方がタイヤクリアランスが広い分700-40Cなどの太いタイヤを楽しむことが出来ます。
どちらかに特化した走りを追求したいのであれば、ロードバイク、MTBをそれぞれ持っているのがベストですが「一台でどちらも楽しめる」というのがグラベルロードバイクの魅力です。
他の自転車と何が違う?グラベルロードバイクの特徴
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