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グラベルロードバイクは本当に重い?のかを調査してみました

ここ数年で人気が急上昇しているグラベルロードバイク。しかしよく耳にするのが「グラベルロードは重い」言う声。今回は、グラベルロードは本当に重いのか、なぜ重いのかを調べました。

更新日: 2023.11.24公開日: 2022.8.30

グラベルロードバイクは本当に重いのか?

レビューやクチコミなどで「グラベルロードバイクは重い」とよく言われます。

今回は、具体的にどこが重いのかを比較しますが、先に結論を言うと、グラベルロードバイクは、

  1. フレーム(500gほど重い)
  2. タイヤ(200〜500gほど重い)
  3. ホイール(500gほど重い)

が主な要因で、ロードバイクよりも車体重量が重い傾向があります。

合計で1.2〜1.5kgくらいですので、その重量を差し引くと、同価格帯のロードバイクと同じくらいになります。つまり、「グラベルロードバイクが重い」というのは概ね事実と言えます。

グラベルロードバイクの重量を比較してみよう

では、実際にグラベルロードバイクの重量を比較してみましょう。

グラベルロードバイクで人気なGAINTのREVOLT、TREKのCheckpoint、NESTOのGAVELで比較しました。

モデル メーカー 定価 重量 フレーム素材 タイヤサイズ
Checkpoint SLR 7 eTap TREK ¥968,000 8.45kg カーボン 40C
REVOLT ADVANCED 2 GIANT ¥385,000 9.4kg カーボン 38C
Checkpoint ALR 5 TREK ¥250,800 9.75kg アルミ 40C
REVOLT 2 GIANT ¥172,700 10.4kg アルミ 38C
GAVEL(2022年モデル) NESTO ¥139,700 11.0kg アルミ 38C
KING GAVEL NESTO ¥209,900 11.1kg アルミ 38C

ロードバイクに詳しい方ならピンと来たかもしれませんが、どのモデルも同価格帯のディスクロードバイクと比較しても車体重量が重めです。

なぜグラベルロードは重いのか?

グラベルロードバイクはアルミフレームが多い

まず注目したいのがフレーム素材です。

フレーム素材は一般的にカーボンのが軽くアルミの方が重くなります。今回ピックアップしたグラベルロードバイクは、GIANTのREVOLT ADVANCED 2とTREKのCheckpoint SLR 7 eTap以外は全てアルミで重くなっています。

アルミフレームはフォークも含めて2kg台前半が多いですが、カーボンフレームはフォークも含めて1kg台、ハイエンドモデルなら1kg台前半ということがあります。

グラベルロードバイクが重い理由としては、フレームにアルミを採用するモデルが多いことも理由の一つでしょう。

グラベルロードバイクはタイヤが太い = 重い

次に見たいのがタイヤサイズです。

先程の一覧では全てのモデルが38C以上、Checkpointについては40Cのタイヤを装着しています。当然ですが、タイヤサイズが大きいほど重量もアップします。

グラベルタイヤで人気のPanaracerのグラベルキングでタイヤサイズごとの重量を比較してみましょう。

GravelKing SS(クリンチャーモデル)の28Cタイヤは310g、一方でGravelKing SS(チューブレス・レディモデル)の40Cは410gと、100gも重くなります。前後で合わせて200gです。

クリンチャーではチューブの重量が増えますが、実はチューブレス・レディでもシーラントとチューブレスバルブが増えるため、タイヤ内部の重量はほぼ同じです。つまり、28Cと40Cでは単純に200gほど重くなると考えて良いでしょう。

グラベルキングは軽量なタイヤなので、完成車に付属しているタイヤはもう少し重いでしょう。そう考えるとグラベルロードバイクが重い原因の一つは太いタイヤにあるとも言えます。

グラベルロードバイクはディスクブレーキである

グラベルロードバイクは、悪路での制動性能を高めるために、ディスクブレーキを採用します。ディスクブレーキは、キャリパー自体は軽量化が進んでいますが、

  1. ローター
  2. ディスクハブ
  3. スルーアクスル

の重量を加算すると、実はリムブレーキのロードバイクよりも重くなります。パーツのグレードにもよりますが、同等グレードあれば前後で合わせて200gほどはリムブレーキよりも重くなることがあります。

グラベルロードバイクはホイールが重量ホイールなことが多い

グラベルロードバイクは、舗装路を走行するロードバイクと違い悪路での走行を想定しているため、ホイールも頑丈なものが選ばれます。グラベルロードは段差を乗り越える際にホイールに負荷がかかるため、スポーク数を増やしたり、リムを頑丈にして衝撃に耐える必要があるためです。

スポーク数を増やし、リムを頑丈にすると当然ホイール重量が増えます。最近のロードバイクで軽量なモデルは全てカーボンホイールで前後合わせて1.5kg未満のことがほとんどですが、グラベルロードバイクで搭載されるような頑丈なホイールは、前後で2kgオーバーのことがほとんどです。

つまり、ホイールだけでも軽量なロードバイクと比較すると500gくらい重くなっています。

グラベルロードバイクは軽くできないのか?

グラベルロードバイクは同価格帯のロードバイクと比較しても重いことがわかりました。しかし、グラベルロードバイクも、軽量化は可能です。

フレームとフォークについては軽量化は出来ませんが、タイヤとホイールはグラベルロードバイクでもカスタマイズが出来ます。その二つを上位グレードのパーツに交換するだけでも、700gも軽く出来ます。

そのほかに、ハンドルやサドル、シートポストなどのカーボン素材の製品がある部分を軽量化すれば、さらに150gほどは軽量化ができるでしょう。さらに、グラベルロードバイクで人気のカスタマイズである「フロントシングル化」をすると、300gくらい軽量が可能です。

全て合わせれば1kg弱軽くすることが出来ます。

ただ、それでもロードバイクよりもやや重くなってしまいますが、レース志向でなければ問題ないくらい軽量と言えます。

軽さを求めるならロードバイクをグラベル化しよう

グラベルロードバイクは、悪路での走行を想定して頑丈に作られる傾向があるので、重量アップはトレードオフとも言えます。

それでも軽量なバイクでグラベルを楽しみたいのであれば、軽量なディスク・ロードバイクをグラベル仕様にした方が近道です。

軽量な太いタイヤとフレアハンドル、ワイドレシオなスプロケットを装着するだけでも十分グラベルを楽しむことが出来ます。

グラベルロードバイクの重量に関するよくある質問

Q.

軽量化をするのと、軽量な完成車を買うのはどちらがコスパが良い?

A.

すでに持っているグラベルロードバイクのグレードにもよりますが、エントリーグレードの完成車の場合は、下手にアップグレードをするよりもミドルグレード以上の完成車を買った方が軽量化もしつつ、パーツのアップグレードもできるためコスパは高いことが多いでしょう。

ミドルグレードのグラベルロードバイクの場合、上位グレードとフレーム・フォークなどの重量差があまりないことが多いため、パーツでアップグレードをしても完成車を買ってもコスト的には同じくらいのことが多いです。

Q.

重いグラベルロードバイクを買うと後悔する?

A.

ロードバイクのような走りを想定して重いグラベルロードバイクを買うと後悔する可能性が大きいですが、グラベルロードバイクの本来の用途であるグラベルライドやツーリング、自転車キャンプなどを楽しむ分には、あまり重量は大きな問題にはならないことが多いでしょう。

自転車では軽さは正義ですが、速さを求めないでゆったりライドを楽しむのであれば、むしろ走りの安定感や積載力などが良いグラベルロードバイクを買っても後悔はしないでしょう。

グラベルロードバイクの軽量化ガイド

ロードバイクに比べて車体重量があるグラベルロードバイクを軽量化してロードバイクのような乗り心地にするための軽量化ガイドです。

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