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650BタイヤのETRTO規格とインチ対応表

グラベルロードバイクでも愛用者が多い650Bタイヤ。しかし、650Bタイヤを探していると、いろんなサイズ表記が合って混乱してしまいます。今回は、650Bタイヤのサイズ表記の違いを見つつ、各表記を対応表で確認していきます。

更新日: 2023.11.3公開日: 2022.9.16

タイヤのサイズ規格の種類と見方

「650B」はフレンチサイズ規格

まず大前提として、ロードバイクの700Cや一部のグラベルロードバイク・MTBで使われる650Bというのは、フレンチ規格です。

フレンチ規格では「タイヤ外径 x タイヤ幅」という表記をします。数字はいずれもmmです。

例えば、700-38Cであれば、「700mm外径の38m幅のC規格タイヤ幅」ということです。アルファベット部分はA〜Dまでで、Aに近づくほど太くなります。

タイヤのインチ規格

一方で、MTBなどではインチ表記がメジャーになります。インチ規格では、「タイヤ外径 x タイヤ幅 x タイヤの高さ」という表記をします。数字はいずれもインチです。

例えば、「26 x 1-1/8 x 1-1/2」だったとしら、「26インチ外径の1.125インチ幅で1.5インチ高さ」のタイヤということになります。

最近ではタイヤの高さは表記しないケースも増えてきています。

タイヤ内径で共通化したのがETRTO

ここまで見てきたフレンチ規格・インチ規格は、タイヤの外径で表記していましたが、タイヤの外径はタイヤの太さや想定するホイールのリム幅で変わってきます。

そこで共通規格として出てきたのがETRTOです。ETRTOは、サイズを「タイヤ幅-タイヤ内径」で表記をします。先程のフレンチサイズで700-38Cは、ETRTOでは「38-622」となります。

ETRTOはタイヤ内径を基準とするため、ホイールリムの規格がここに合っていればタイヤサイズによって外径が大小しても問題ないということになります。

タイヤ内径を基準することで、「タイヤがハメづらい」「チューブレスだと相性によって性能差が大きい」という問題が解消されつつあります。

例えば、チューブレスを20年以上前から導入しているMavicは、2019年頃までチューブレスホイールにはMavic製のタイヤをセットした状態で販売していましたが、2019年頃に制定された新ETRTO規格にタイヤ・ホイールメーカー各社が合わせるようになったことで、同社タイヤ以外でも相性問題は少ないと判断し、2020年以降のモデルではタイヤセット販売をやめています。

表記が曖昧なことが多い650Bのグラベルタイヤ

ここまで見てきた通り、タイヤのサイズ表記は「フレンチ」「インチ」「ETRTO」という3つの表記があるわけですが、ロードの場合はほとんどがフレンチ表記、MTBではインチ表記となっている中で、その中間にあたるグラベルタイヤでは3つの表記のうち、どれで表記されるかはメーカーどころか製品ごとに違うことがあります。これは、ロードユーザーもMTBユーザーも使う可能性があるからでしょう。

同じグラベルタイヤがあるサイトでは650 x 40Bと表記されていたり、別のサイトでは27.5 x 1.50と表記されたりします。

こうした表記の乱立が「どのタイヤがどのサイズ?」だったり「自分のホイールに取り付けることが出来るの?」という混乱に繋がっています。

650Bサイズのフレンチ・インチ・ETRTO対応表

ということで、3つの規格の対応表を作成しました。あくまで一般的なサイズなので、メーカーによっては規定しているサイズが異なることがありますが、基本的なサイズは合っているかと思います。

ETRTO フレンチ インチ
30-584 650 x 30B 27.5 x 1.20
32-584 650 x 32B 27.5 x 1.25
33-584 650 x 33B 27.5 x 1.30
35-584 650 x 35B 27.5 x 1.40
37-584 650 x 37B 27.5 x 1.40
38-584 650 x 38B 27.5 x 1.50
40-584 650 x 40B 27.5 x 1.50
42-584 650 x 42B 27.5 x 1.65
43-584 650 x 43B 27.5 x 1.75
45-584 650 x 45B 27.5 x 1.75
47-584 650 x 47B 27.5 x 1.85
48-584 650 x 48B 27.5 x 1.90
50-584 650 x 50B 27.5 x 2.00
54-584 650 x 54B 27.5 x 2.10
55-584 650 x 55B 27.5 x 2.15
57-584 650 x 57B 27.5 x 2.25
70-584 650 x 70B 27.5 x 2.80

通販サイトなどでは、商品名の文字数制限がある関係などで、フレンチ、インチのどちらかのサイズしか表記していないことがあります。

しかし、最近のタイヤメーカーは、ETRTOを併記していることが多いので、基本的にはタイヤメーカーのサイトやカタログでETRTOを確認して、対応するフレンチ・インチサイズを確認するのがベストです。

例えば、Amazonでシュワルベのグラベルタイヤ「G-ONE ALLROUND performace」を探してみると「【正規品】シュワルベ ジーワン オールラウンド Performance 700x35C ケブラービード 11600774.01【グラベル・オフロード】 ブラック」という商品が出てきます。

商品名では700x35Cというサイズしか表記されていませんが、説明文にはETRTO: 35-622という記載がありますし、シュワルベのサイトにもその記載があります。

一方で、PanaracerのようにWebページ上にETRTO表記がない場合でも、必ず製品には記載がある(700x32C[32-622]という表記)ので、メーカーに質問をするか、誰かの装着レビュー写真などからETRTOを確認してみるのも良いでしょう。

650Bタイヤと規格に関するよくある質問

Q.

グラベルロードバイクの650Bタイヤを選ぶときはインチで探すべき?

A.

車体に取り付けができるメーカー推奨タイヤサイズさえわかっていれば、インチでもフレンチサイズでも、どちらで選んでも問題ありません。

グラベルロードバイク向け650Bタイヤはフレンチでサイズ表記を、MTB向けの650Bタイヤ(27.5インチタイヤ)はインチ表記をしていることが多いですが、わからなければメーカーのスペック表を確認するか、スポーツバイク専門店で相談をしましょう。

Q.

650Bホイールなら27.5インチのMTBタイヤを装着できる?

A.

650Bホイールの対応タイヤサイズが、装着したい27.5インチMTBタイヤのタイヤサイズに合っていること、装着するバイクのタイヤクリアランスの範囲内であること、この2点が問題なければMTBの27.5インチタイヤを装着できます。

Q.

同じサイズの650BのグラベルタイヤとMTBの27.5インチタイヤではどこが違う?

A.

650Bのグラベルタイヤは、グラベルと舗装路に最適化したタイヤで、27.5インチMTBタイヤはトレイルなど悪路に最適化したタイヤでデザインが異なります。ブロックパターンやノブの高さなど、重量、タイヤの厚みなどの違いです。

650Bのグラベルタイヤはノブが小さく全面にレイアウトされ、軽量で舗装路でも軽快に走行できるようにデザインされていますが、27.5インチのMTBタイヤは高くて大きめのノブを広めにレイアウトしているため、砂利や泥などをしっかりキャッチしてくれますが、舗装路での走りは重くなります。

それぞれ性格が違うので、走りたい場所に合わせて選ぶのベストです。

グラベルタイヤをマスターしよう

グラベルロードバイクの特徴でもあるグラベルタイヤ。どんなタイヤをどんな空気圧でセッティングするかで、走りや快適さが大きく変わるのは、グラベルロードバイクの面白さの一つです。

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