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乗り心地アップ!グラベルロードは適正空気圧で乗ろう
自転車のタイヤには「適正空気圧」というのがあります。適正空気圧とは何か、どうやってチェックしてどうやって適正空気圧にするのか、空気圧を変えることで得られる走りの変化についてまとめました。
更新日: 2023.11.3公開日: 2022.9.1
目次
自転車タイヤの適正空気圧と推奨空気圧の違いは?
メーカーが指定するのが「推奨空気圧」
グラベルタイヤに限らず、タイヤ・ホイールには、メーカーがモデルごとに「走行性能を発揮でき、パンクなどのトラブルにも強い、最適な空気圧」を設定しています。これは推奨空気圧です。
例えば、グラベルタイヤの定番であるPanaracerのグラベルキング SK PLUSのクリンチャーモデルは、700x26Cモデルの推奨空気圧を「400-700kPa」としています。この空気圧の範囲内で運用すると、メーカーが設計したタイヤ性能を引き出すことが出来ます。
なお、タイヤの推奨空気圧はモデルごと、サイズや幅によって異なります。先程の、Panaracerのグラベルキング SK PLUSのクリンチャーモデルの推奨空気圧は700x26Cモデルが「400-700kPa」でしたが、700×28Cモデルでは「MAX 750」となっています。
GravelKing SK Plus | Panaracer
上記のPanaracerのHPのように、タイヤメーカーのHPにはモデル・サイズごとの推奨空気圧が記載されていることがほとんどなので、そちらを確認しましょう。
一番簡単にタイヤの推奨空気圧を確認する方法は、タイヤサイド部分やホイールのリムのプリントや刻印を確認する方法です。ただ、プリントや刻印がない場合もあるため、メーカーのHPもチェックしましょう。
特に、太いグラベルタイヤを履いている場合、ロードバイクと同じ感覚で「7barくらいの高圧でいいだろう」なんて思って空気入れたら、推奨空気圧を大きく超えてしまうこともあるので注意しましょう。
チューブレスで高圧にしすぎると、走行時にタイヤのビードがリムから外れてしまうこともあるので、注意が必要です。
自分の体重・バイクに合わせた空気圧が「適正空気圧」
一方で、「適正空気圧」とはライダーの体重やグラベルロードバイクの車体重量、ホイール・タイヤの種類から一番最適な空気圧を計算します。これはタイヤメーカーが推奨する空気圧ではなく、あくまであなた自身とあなたのバイクにとって最適な空気圧です。
適正空気圧にすることで、「転がりは軽く、しっかり路面からの衝撃も吸収してくれる」状態になるため、空気圧だけで走りを自分自身に最適化出来ます。
実際にツールを使って適正空気圧を調べてみるとわかりますが、全く同じタイヤでも走るコースや体重によって空気圧は結構変わります。
グラベルロードバイクのタイヤを適正空気圧にする方法
まずは適正空気圧を計算しよう
自分と自分のグラベルロードバイクの適正空気圧計算を計算するのは意外と複雑です。ですので、計算サイトを使うのがベストです。
コンポーネントメーカーのSRAMはWeb上で計算ツールを公開しているのですがそちらを使うのがオススメです。
アプリであれば「Tyre Pressure」という無料アプリがシンプルですが大まかな適正空気圧がわかるのでオススメです。
適正空気圧を計算してみると、タイヤメーカーの推奨空気圧から外れてしまうことがありますが、その場合はメーカー推奨空気圧の中に収まるように調整しましょう。
空気圧を管理しよう
自分の適正空気圧がわかったら、実際にタイヤの空気圧を調整します。
グラベルロードバイクの空気圧の調整は、
- エアゲージ(チェッカー)を使う
- エアゲージ付きのエアポンプを使う
という二つの方法があります。グラベルロードバイクを乗る以上、空気の管理は頻繁に行うので、少し高くても空気圧計付きのエアポンプを買うのがオススメです。
出先で空気圧の調整をするなら、エアゲージを一つ持っておくと便利。「舗装路では少し高圧で転がり軽く、グラベルに入ったら低圧にしてクッション性をアップ」という運用がライド中に出来ます。
スポーツ自転車のタイヤは、一般的な自転車よりも高圧に入れるため1週間に一度程度空気を入れて適正空気圧を維持するようにしましょう。
実際に適正空気圧を計算してみると・・・
先程のSRAMのサイトで、実際に計算してどれくらい適正空気圧が異なるのかを確認してみましょう。
グラベルロードバイクは、
- 車体重量9.5kg
- 700C/リム内幅22mmのグラベルホイール
- 38Cのグラベルタイヤ
という設定で、体重が50kg、60kg、70kg、80kgでどれくらい変わるのかを比較してみます。
ライドスタイル | タイヤタイプ | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg |
---|---|---|---|---|---|
ロード | クリンチャー | 39.2/41.7 | 41.7/44.6 | 44.1/46.9 | 46.6/49.5 |
ロード | チューブレス | 38.5/40.9 | 40.9/43.5 | 43.3/46 | 45.7/48.6 |
グラベル | クリンチャー | 35.3/37.6 | 37.5/39.9 | 39.7/42.2 | 41.9/44.6 |
グラベル | チューブレス | 34.6/36.8 | 36.8/39.1 | 39/41.4 | 41.1/43.7 |
数字はPSIで「フロント/リア」となります。
見ての通り、同じグラベルロードバイクでも「ライダーの体重」「タイヤ条件」「想定する道」が違うと、最大で10PSI近く適正空気圧が異なります。
走行路面が舗装路かグラベルかでは4PSIほど違いがあり、チューブレスタイヤの場合はクリンチャーよりも1PSIほど落とすイメージです(ここは誤差でしょう)。
例えば、クリチャータイヤで舗装路をメインで走る、体重70kgの誰かが紹介していた「グラベルタイヤの空気圧は44.1PSIで運用しています」というコメントを、体重50kgの人が参考にすると、適正空気圧よりも10PSIも高くなって乗り心地が硬くなってしまいます。
グラベルロードバイクの空気圧は路面状況に合わせてどう調整するのが良い?
ロードバイクで走る舗装路と、MTBなどで走る未舗装路の両方を走破できるグラベルロードバイクでは、快適性や走行の安定性を上げるための空気圧は「状況によって変わる」ことを覚えておきましょう。
グラベルでは空気圧が低くしてクッション性があげるのが◎
適正空気圧よりも低くすると、タイヤにクッション性が生まれます。クッション性が生まれると、路面から受ける振動や衝撃をタイヤのクッション性で受け止めてくれるので、同じタイヤでも乗り心地が滑らかになります。
これはマウンテンバイクなどで使われる手法で、マウンテンバイクではタイヤの空気圧は低めにして、その分太いタイヤを選んでエアボリュームを増やします。エアボリュームが多いほどクッション性も上がり、パンクも防ぐことが出来ます。
同じことはグラベルロードバイクでも導入できるので、未舗装路を多めに走る際などは試してみましょいう。
乗り心地はバイクの特性などにも影響するので、適正空気圧から少しずつ空気圧を下げてみて、自分にとって走りやすい空気圧を探してみると良いでしょう。また、グラベルに入ったら敢えて空気圧を下げるのも上手な調整方法です。
なお、空気圧を下げて運用したい場合は、チューブレス、チューブレス・レディタイヤを装着するのがベストです。
舗装路では空気圧を上げて走りが軽くしよう
適正空気圧よりも空気圧を下げるとクッション性が高まりますが、逆に路面とタイヤの接する面積が増えて、転がりが重くなります。ここはどうしてもトレードオフになるのですが、最近のチューブレスタイヤは低圧でもタイヤの変形を抑えて転がりを軽くしているモデルもあります。
逆に言えば、走りを軽くしたいなら空気圧を高めにしてタイヤと路面との設置面積を減らすことで、走りを軽くすることが出来ます。自転車屋さんで空気を入れてもらった後に走ると、速く走れるようになった感じがするのと同じです。
そのため、自宅からグラベルまで、またグラベルから出て舗装路に入ったら空気圧を上げることで走りを最適化出来ます。面倒な作業ではありますが、より快適性や走行の安定性を高めるメリットを考えたらコストは少ないでしょう。
注意したいのは先程解説した「メーカー推奨空気圧」を超えないこと。推奨空気圧を超えるとタイヤに余計な負荷がかかったり、チューブがバーストする可能性もあります。
また、自身の適正空気圧よりも大幅に高くしてしまうと、タイヤが車重(車体 + 自分の体重)に耐えられなくなってしまうことがあるので、自身の適正空気圧をベースに少しずつ空気圧を高めてみて、自分にとって走りやすい空気圧を探してみましょう。
グラベルロードバイクのタイヤ空気圧に関するよくある質問
グラベルタイヤの空気圧はどれくらい下げて良い?
グラベルタイヤに限らず、スポーツ自転車のタイヤは、タイヤのモデルごとに最低空気圧が設定されています。タイヤの刻印を見るか、タイヤメーカーの公式サイトでチェックしましょう。
メーカー規定の空気圧よりも下げすぎたり上げすぎたりすると、ビードが外れたり、バーストする可能性があるので、きちんとメーカー規定値の間に入れるようにしましょう。
チューブレスでなくても空気圧を下げても大丈夫?
タイヤの適正空気圧の範囲内であれば、チューブド(クリンチャー)でも低圧にして問題ありません。
ただし、タイヤ内部にチューブが入っている場合、低圧にすることで段差などでタイヤが潰れて、チューブが挟まれて穴が開く「リム打ちパンク」を引き起こしやすくなるため注意が必要です。
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