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なぜグラベルで人気?フレアハンドルのメリット・デメリットと選び方
グラベルロードバイクで採用が進んでいるのがフレアハンドル。フレアハンドルとは何か、なぜ人気なのかをメリット・デメリットから見ていきます。
更新日: 2023.10.26公開日: 2022.9.27
目次
フレアハンドルとは?
フレアハンドルは、ロードバイクやグラベルロードバイク向けのドロップハンドルの一種で、ハンドルのドロップ部分がフラット部分よりも横に広がっている形状のドロップハンドルです。
悪路を走るMTBでは、幅が広いハンドルを装着するのが通常ですが、エアロポジションを取るロードバイクの場合は、空気抵抗を減らすためハンドル幅はなるべく狭くするのが通常です。
この両方の特徴を取り入れたのがフレアハンドルで、ブラケットポジションでは身体を畳んで空気抵抗を減らし、悪路では下ハンドルを握ってワイドなポジションでバイクコントロールの安定性をアップさせることが出来ます。
製品にもよりますが、フレアハンドルはブラケットポジション間の距離に対して、下ハンドル間の距離が10cmほど広がっていることが多く、400mmのハンドルが下ハンドルでは500mmのワイドハンドルに変身します。
通常のドロップハンドルは、ブラケット部分から垂直にドロップしますが、フレアハンドルは外に広がってドロップしているので、前後からのハンドル形状を見ればフレアハンドルかを判断出来ます。
フレアハンドルのメリット
バイク・ハンドル操作の安定性が増す
フレアハンドルの最大のメリットは、下ハンドルポジションが幅広になることでグラベルなどの悪路での安定性が増すこと。
直線的に走ることが多いロードと違って、MTBで走るようなコースでは180度曲がるような急カーブが当たり前です。そうしたポイントではハンドル幅が広い方が取り回しがしやすくなります。
また、悪路では路面からの突き上げや段差が多くあるため、腕を開いて身体をサスペンションのように使うのが通常ですが、通常のドロップハンドルではそれが出来ません。フレアハンドルは、下ハンドルが広がっているので、この両方の使い方が出来る様になります。
もちろん、MTB向けの800mmなどの「超ワイド・フラットハンドル」と比べればまだまだ狭いですが、ロードバイク向けのハンドルは大きくても460mm幅くらいが最大なので、それ以上の幅を取ろうと思うと、必然的にフレアハンドルを選ぶことになります。
荷物をたくさん積載できる
グラベルロードバイクの楽しみ方の一つが、自転車キャンプや自転車ツーリング。
自転車キャンプや自転車ツーリングをするとなると、キャンプ用品や着替えなど積載するものがたくさんあり、サドルバッグやフレームバッグだけでなく、ハンドルバッグにもどれだけ積載できるかが重要になります。
通常のロードバイクハンドルだと最大でも460mmくらいの幅しかありませんが、フレアハンドルならハンドルバッグを取り付ける部分が500mm以上になるので、ハンドルバッグを余裕を持って取り付けが出来ます。
特に、自転車キャンプで使うような容量の大きいハンドルバッグはフラットバー・ハンドルを前提に横幅が広めに設計されているので、ロードバイク向けのハンドルでは横幅が足りなくなってしまいます。
フレアハンドルであれば、この問題を解決出来るというわけです。
フレアハンドルのデメリット
種類が少ない
フレアハンドルはここ数年で普及したタイプのドロップハンドルなので、まだ製品の種類が少ないのがデメリットの一つ。
世界的・業界的にはグラベルロードバイクの人気は急上昇しているため、今後フレアハンドルが増えていく可能性はありますが、現状では種類が少なく、価格や素材、形状の選択肢が狭いのが現状です。
障害物にぶつかりやすくなる
通常のドロップハンドルであれば、最大でもライダーの肩幅くらいしかないため、走行中にハンドルが路上の障害物に接触することはあまりありません。
しかし、フレアハンドルは、下ハンドル部分がライダーの肩幅よりも広いためロードバイクの感覚ですり抜けると木やガードレールなどに接触する可能性が高くなります。相手が人だったら対人事故につながるので注意が必要です。
フレアハンドルの選び方
サイズに注意しよう
ロードバイクのハンドルは、下ハンドル部分の距離で、C-C(芯-芯:バーエンドの中心から中心の距離)と外-外(バーエンドの外から外の距離)の2種類の方法でサイズを決めますが。
通常の垂直に降りているドロップハンドルならスペック表記の通りに見れば良いですが、フレアハンドルの場合ブラケット部分と下ハンドルの部分が開いているため、サイズ表記がブラケット部分なのかエンド部分なのかでハンドルサイズが全く変わってきます。
例えば、ZIPPのグラベルハンドルはスペック上はC-Cでサイズが表記されていますが、ZIPPは「C-Cはドロップエンド部分間の距離ではなく、ブラケット部分間の距離」と公式に表記しています。
この辺りはメーカーによって違うので、選ぶ際に注意しましょう。
フレアは広すぎないものから試すのがベスト
一言にフレアハンドルと言っても、製品によってフレア角(広がり方)が異なります。
例えば、fizikのCyrano R3ハンドルはフレア角が3度と浅いデザインですが、cinelliのLargoハンドルはフレア角30度とかなり広くなります。
フレア角が狭すぎるとフレアの恩恵を感じなくなってしまいますが、フレア角が広いと下ハンドルを握る時のポジションやスタイルが大きく変わってしまいます。
初めてフレアハンドルを使うのであれば、10度くらいから少しずつ広いモデルに上げていくのがオススメです。
STIレバーが傾く可能性があることを知っておこう
こちらも製品によって異なりますが、ドロップ部分がハの字に広がっているため、ブラケット部分からカーブが始まる場合があります。
その場合、STIレバーも一緒に傾くことになり、ブレーキや変速がしづらくなるだけでなく、ブラケットを握る際に手首を捻った状態で握ることになるため、手を痛めやすくなります。
「斜めになっても問題ない」という方もいるかもしれませんが、人によっては体に合わないことも。製品によってはブラケットまでは垂直でその下からフレアになる製品もありますので、そうした製品を選ぶようにしましょう。
アグレッシブな道を走るならドロップは浅い方が良い
ドロップハンドルは、製品によってブラケット部分からどれくらい下にカーブするかが変わります。グラベルで制御力を高めるためにフレア部分を握るのであれば、通常の大きめのドロップだと前傾姿勢が深くなりすぎで、バランスを崩して前転してしまうリスクがあります。
舗装路で力を入れるためにドロップ部分を使うのであれば問題ないですが、悪路で使う予定なのであれば、ドロップが小さい製品を選ぶのがオススメです。
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