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グラベルロードバイクにMTBタイヤを装着するメリットと選び方

年々太くなっていくグラベルタイヤですが、本格的な未舗装路を走るならやはりMTBタイヤがベスト。グラベルロードバイクにMTBタイヤを装着するメリットと選び方をまとめました。

更新日: 2023.7.4公開日: 2023.5.10

グラベルタイヤとMTBタイヤの違い

パッと見、似ているグラベルタイヤとMTBタイヤですが、実はかなり違いがあります。

両者の違いは「走行する路面の違い」からくるものですが、砂利道などの「道になっている未舗装路」を走る想定のグラベルタイヤに対して、MTBタイヤは種類によって「泥や水溜りなど」から「山岳などの崖」などまで広く対応します。

そうした違いが、

  1. タイヤの太さ
  2. タイヤの重さ
  3. ノブのレイアウト・大きさ

に大きく影響しています。

タイヤの太さの違い

MTBタイヤはロードバイクでは考えられないような60mm幅のタイヤも普通にありますし、セミファットなMTBタイヤなら3インチサイズもあります。

太くて頑丈でノブもついているため、1本あたり1kg近いタイヤも普通にあります。一方で、グラベルタイヤも年々太くなっていますが、60Cくらいが最大です。

タイヤ重量の違い

タイヤの重さもかなり違うポイントです。

MTBタイヤというとノブがついているため重いと思いがちですが、実はMTBタイヤは路面の木の根や岩でタイヤカットされないように、厚みのあるタイヤになっています。

これらの違いから、MTBタイヤはロードタイヤよりも重くなります。

ノブのレイアウト・大きさの違い

グラベルタイヤもMTBタイヤも、ロードタイヤにはないノブがあるのが特徴ですが、舗装路も走る前提のグラベルタイヤはノブが小さく、全体に敷き詰める形でレイアウトされるのが一般的です。

一方で、MTBタイヤは泥や砂利の中でスリップしないように、大きめのノブを広めにレイアウトするのが一般的です。そのため、MTBタイヤは舗装路で転がり抵抗が高くなります。

そのため、舗装路を走る割合が多い場合は、グラベルタイヤの方が楽に走ることが出来ます。

グラベルロードバイクにMTBタイヤを装着するメリット

走破性を高めることが出来る

走破性の高さが魅力のグラベルロードバイクですが、本格的な山道に対応できるMTBと比較するとやはり走破性は劣ります。

MTBはタイヤだけでなくサスペンションなど山道でのライドに対応するパーツ構成になっているため当然ですが、グラベルロードバイクにMTBタイヤを装着することで、路面キャッチ能力だけでもMTBに近くすることで、より走破性を高めることが出来ます。

MTBパークなどで遊ぶ際に幅が広がる

グラベルロードバイクでのライドが認められているMTBパークであれば、グラべロードバイクでも遊ぶことが出来ますが、どうしてもMTBのようには走ることが出来ません。

そのため、ライドするコースなどが限定されてきてしまうのですが、MTBタイヤを装着することで、コースの選択肢が少し広がります。

グラベルロードバイク用のMTBタイヤの選び方

クリアランスが最重要

グラベルロードバイクにMTBタイヤを取り付ける際に、最も重量なのがフレーム・フォークのクリアランスです。

グラベルロードバイクは太めのタイヤを装着する前提で広めのクリアランスがあることが多いですが、それでもMTBほどのクリアランスは用意されていないので、どれくらいのサイズが入るかをしっかりと確認しましょう。

MTBタイヤはインチ表記が多いので、「1インチ = 25.4mm」という変換式を覚えておいて、タイヤを選びましょう。

例えば、700 x 50Cのタイヤクリアランスがあるフレームの場合、「50mm / 25.4 = 1.96(インチ)」となるため、1.9インチサイズまで装着可能です。

一点、注意したいのは、「クリアランスは余裕を持つ」という点。実際に未舗装を走ると、泥やゴミなどがタイヤに付着して、タイヤが太くなることもあるので、ある程度余裕を設けておかないと、走行中にフレームと擦ってしまいます。

XC(クロスカントリー)用の軽量タイヤがおすすめ

MTBタイヤは、トレイルやエンデューロなどの厳しい路面状況でも走破できるタイヤと、グラベルに近いXC(クロスカントリー)用のタイヤがありますが、グラベルロードバイクの場合はXC(クロスカントリー)用タイヤがおすすめ。

XC用タイヤであれば、軽いものなら1本600g程度のタイヤもあり、グラベルタイヤよりも少し重い程度で、高い走破性を得ることが出来ます。

太いタイヤを装着したいなら650B(27.5インチ)にしよう

ロードバイクでも太いタイヤをということから、グラベルロードバイクでも装着するユーザーが増えている650Bホイール。650Bにすると直径が40mmほど小さくなるため、同じフレームでも理論上2cm太いタイヤを装着できます。

ただし、タイヤクリアランスは上方向だけでなく幅も重要になるため、フレームによっては650Bホイールにしてもあまり太いタイヤを装着できないこともあります。

もし、フレームクリアランスの幅が大きいのであれば、650Bホイールにすることで、2.35インチなどの太いタイヤをグラベルロードバイクに装着可能になります。

MTBタイヤにはチューブレスタイヤが必須!

太いMTBタイヤには太いタイヤチューブが必要になります。つまり、チューブ自体の重量もアップするということです。

ロード用のタイヤチューブでは100g程度が多いですが、MTBタイヤのチューブは300gほどのものが標準。つまり、前後で600gもの重量アップになってしまいます。

ホイールが重くなると走りも重くなってしまうため、グラベルロードバイクの走りの軽さを維持するなら、チューブレスが必須です。

チューブレスであれば、シーラント150ml程度の重量で済むため、重量アップを抑えることが出来ます。

グラベルタイヤをマスターしよう

グラベルロードバイクの特徴でもあるグラベルタイヤ。どんなタイヤをどんな空気圧でセッティングするかで、走りや快適さが大きく変わるのは、グラベルロードバイクの面白さの一つです。

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